井口秀雄工場長のつぶやき

モノトロペインは肺がんを抑制する可能性

ノニ関係の抗がん効果は論文が多くありますが、以下の論文はノニと同じ属のMorinda officinalisに含まれるモノトロペインの肺がん抑制の可能性に関する論文です。

Monotropein represses the proliferation and angiogenesis via the AKT/NF-κB pathway in lung cancer.Cai BN, Ma B, Zhang S, He W.Naunyn Schmiedebergs Arch Pharmacol. 2025

モノトロペイン（Monotropein）は、大腸がんに対して抗がん作用を示すMorinda officinalisから抽出されるイリドイド配糖体で、本研究では、モノトロペインの肺がんに対する治療効果を細胞やマウスを用いて検討したそうです。肺がん由来のがん細胞であるA549およびH1299細胞を用いた実験では、モノトロペインが細胞の生存率、浸潤、チューブ形成、増殖マーカーの発現を抑制し、アポトーシスを促進することが示されたそうで、肺がんの進行に関与するシグナル伝達経路調整におけるモノトロペインの今後の研究が期待されるそうです。ノニにもモノトロペインあるいは類似の物質が含まれるのかが気になるところです。

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ノニ果実発酵に温度が及ぼす影響について

ノニジュースを作る際にはノニの実を嫌気発酵させますが、季節によって発酵の度合いが変わると思います。下記の論文では、ノニの発酵における温度の影響について報告しております。

Effect of temperature regulation on microbial community, volatile flavours, amino acid profiles, and iridoid glycosides during noni (Morinda citrifolia L.) fruit fermentation.Zhang C, Gu C, Wang M, Chen J, Chang H, Chang Z, Zhou J, Yue M, Zhang W, Zhang Q, Feng Z.Food Chem. 2025 Jan 1;462:140966.

異なる温度でノニの実を発酵させた際のフレーバー、アミノ酸プロファイル、イリドイド配糖体の形成を分析した結果、温度が微生物群集に影響を与えることが明らかとなったそうです。特に、高温はオクタン酸とヘキサン酸を低く維持し、総アミノ酸とイリドイド配糖体を改善しました。相関ネットワーク分析により、細菌群集が発酵ノニ果実の品質に影響を与えることが示されました。これらの結果は、天然発酵プロセスの品質管理に役立つことが期待されるそうです。季節によって細菌叢の違いがノニジュースの質にどのように影響するか、気になるところです。

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がん予防のための天然物の発見

がんの予防と対策は、現代社会の病気のおいて最も関心の高いトピックかと思います。「がん予防のための天然物の発見」と題した下記の論文では、ノニも紹介されていました。

Discovery of Natural Products for Cancer Prevention.Blanco Carcache PJ, Clinton SK, Kinghorn AD.Cancer J. 2024 Sep-Oct 01;30(5):313-319.

「がんの化学的予防」とは、毒性のない天然や合成の化合物を使って、がんの発生を遅らせたり、逆転させたりすることを指し、約50年前から、植物由来の化合物でがんを予防することに科学的な関心が高まり、様々な実験室バイオアッセイが開発されてきたと紹介されています。その中で、アボカド、ノニ、アサイー、マンゴスチンの抽出物は、発がん性物質を使った実験でがんの予防に有効であることが示されてるとされています。弊社のノニジュースも今後もがん予防のオプションの一つとして選んで頂けるように、質の高い製品の維持に努めていきたいと思います。

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ノニ果実の発酵と物質の変化について

ノニジュースを作る際は、ノニの実を嫌気発酵させますが、そのプロセスで何が起きるのかは興味深いところです。下記の論文では、ノニの実の熟度による物質の変化について報告しております。

Multiple metabolite profiles uncover remarkable bioactive compounds and metabolic characteristics of noni fruit (Morinda citrifolia L.) at various stages of ripeness.Su C, Yang M, Chen S, Fu C, Zhang L, Liu S, Kang J, Li C.Food Chem. 2024 Aug 30;450:139357.

ノニ果実の熟度による物理化学的特性、生物活性化合物、代謝特性の変化を調査した結果、熟成に伴い物理化学的性質に有意な差が認められ、主要な生理活性化合物としてコハク酸、スコポレチン、デアセチルアスペルロシド酸、アスペルロシド酸が特定されたとのことです。また熟度の違いが生理活性成分や機能活性に大きな影響を与え、酵素阻害率や大腸菌阻害率が最終段階で90％を超えることが示されたそうです。弊社では基本半年嫌気発酵させますが、それが最適なのかどうかも興味深いところです。

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ノニジュースの抗酸化作用とがん予防効果

沖縄のような熱帯・亜熱帯の食材ではしばし抗酸化作用について紹介されていますが、下記の論文はノニの抗酸化活性とがん

予防効果について触れた論文です。

Noni enhances the anticancer activity of cyclophosphamide and suppresses myelotoxicity and hepatotoxicity in tumor-bearing mice.Ali M, Manjula SN, Mohiuddin I, Mruthunjaya K, Shakeel F, Mir SA, Wani SUD.J Cancer Res Clin Oncol. 2024 Apr 25;150(4):212.

ノニ果汁は、抗酸化作用を持つ生薬であり、発がん物質-DNA付加体形成の予防と抗酸化活性ががん予防に寄与する可能性が示唆されており、本研究ではマウスを対象に、シクロホスファミド（CYL：代表的な抗がん剤）存在下でのノニの抗腫瘍活性をin vitroおよびin vivoで検討したそうです。結果として、ノニとCYLの併用療法は、単独治療よりも優れた腫瘍抑制効果を示し、CYLによる骨髄毒性と肝毒性を抑制する可能性があることが示されたとのことです。抗がん剤は副作用が懸念されますが、ノニを併用するとそれが緩和される可能性を示しているのかもしれません。

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